西の湖(にしのこ)は、琵琶湖最大の内湖で総面積約222ha、その内109haをヨシ原を主体とするヨシ原群落で覆われた湿地地帯です。内湖では多くの貴重な動植物が確認されていて、そのヨシ原群落は水鳥の生息地、繁殖地になっています。内湖周囲には一部住宅地などがありますが、大部分はヨシ原群落で覆われて、1992年7月1日のヨシ原群落条例が施行されてから「保全地域」として大切に守られてきました。また渡り鳥の中継地として重要ま役割を持ち、2006年11月1日に鳥獣保護区に指定され、2008年10月30日にはラムサール条約湿地として琵琶湖エリアに追加登録されました。
内湖とその周辺では、秋から初春にかけて多くの野鳥が観察でき、毎年の探鳥会では45~55種類の野鳥が観察され、多くのバードウォチャーの注目の探鳥地になっています。湖面には多くのカモ類が飛来し、羽を休めています。ヨシ原や周辺のあぜ道では、オオジュリン、ベニマシコ、カシラダカ、アオジ、ホオジロなどの小鳥類が見られます。少し目線を上げると、ヨシ原群落の上を帆翔するチュウヒやハイイロチュウヒの姿が見られたり、田畑ではノスリ、チョウゲンボウが見られることもあります。野鳥観察にお勧めの時期は、やはり秋から初春にかけてでしょう。
★西の湖探鳥会は年2回、11月と2月に行われています。
【ツバメのねぐら入り】
西の湖の広大なヨシ原は、夏を中心に夕刻になるとスズメやツバメなどが集結し夜を過ごす集団ねぐら(塒)になっています。複数種が混在するのではなく、スズメはスズメ。ツバメはツバメでそれぞれにねぐらがあります。ツバメに関しては、ピーク時には数万羽。滋賀県で最大規模のねぐらとなっています。西の湖の水面を低空飛行したり、空高くの飛翔、ヨシ原飛翔はとてもダイナミックです。主な観察時期は7月から9月ですが、その前後も一定期間で観察できるかもしれません。
☆ツバメのねぐら入り観察会は、毎年7月~8月に行われています。
出会える鳥と季節
カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、トモエガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ミコアイサ、ミサゴ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハイイロチュウヒ、チュウヒ、ハヤブサ、コチョウゲンボウ、チョウゲンボウ、キジ、バン、オオバン、ケリ、タゲリ、タシギ、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリン、カワラヒワ、ベニマシコ、スズメ、ムクドリ、コクマルガラス、ミヤマガラスetc. |
アクセス
公共交通利用:JR琵琶湖線「近江八幡」駅より近江鉄道バス「八幡市内線」にて乗車し、「ヴォーリズグランド前」下車。但し、土日祝日のみ数本運行あり。詳しい時刻などは、近江鉄道バスHPにてお調べください。
車利用: 国道8号線友定町交差点より県道26号線経由し、県道多賀交差点右折し農道を約1300m。左下の地図を参考にしてください。
【ツバメのねぐら入り】
利用可能な公共交通機関はありません。
近江八幡駅前でレンタサイクルを利用し、片道約30分~1時間(観察地点によって変わります)。返却時間に注意してください。
車利用:観察地点によって道順が異なりますので、各自で調べてお越しください。