滋賀県長浜市余呉町北東の呉枯ノ峰山中には、余呉三山の菅山寺があります。真言宗豊山派の古刹で奈良時代、孝謙天皇の勅を受けた照檀上人が開山し、龍頭大箕寺と称し、平安前期に菅原道真が宇多天皇の勅使として入山し、3院49坊を建てて、大箕山菅山寺と改名しました。明治以降は衰退し無住となったが、1912年に保勝会が組織され、残るお堂の改修や保存がなされてきます。樹林の間には本堂、護摩堂、経堂、鐘楼などが建ち並び、鎌倉中期の作銘を持つ銅鐘は1926年に国の重要文化財に指定されました。他にも、本尊の不動明王や十一面観音、木造の狛犬、石灯籠など寺宝は多くあります。また山門の左右に立つ大木は、菅原道真御手植えと伝えられる樹齢1000年のケアキ、山中には神秘的な朱雀池やブナ原生林など自然も保全されています。
自然豊かな菅山寺周辺の山中及び山麓では、初夏から秋にかけて山鳥を中心とした多くの野鳥が観察出来ます。特に初夏の早朝のバードコールは素晴らしく、ツツドリ、ホトトギス、キビタキ、クロツグミ、メボソムシクイ、そしてアカショウビンの声が山間に響き渡ります。もちろんヒガラ、シジュウカラ、ヤマガラの声も聞こえてきます。尾根伝いの開けた林道などでは、ホオジロ、サンショウクイの姿や声も・・・。上空を見上げれば、春の渡りの時期にはサシバ、時にはクマタカなどの猛禽類の姿も見られることもあります。山麓の赤子山スキー場やウッディパル余呉では、カラ類やセグロセキレイ、キセキレイなどが観察出来ます。また山中では、野鳥以外にも色んな動植物が観察することが出来、秋の紅葉も綺麗なようです。
出会える鳥と季節
キジバト、アオバト、ホトトギス、ツツドリ、ハチクマ、トビ、ハイタカ、サシバ、クマタカ、アオバズク、アカショウビン、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、ハヤブサ、サンショウクイ、サンコウチョウ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、エナガ、メボソムシクイ、メジロ、クロツグミ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、スズメ、キセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、イカル、ホオジロetc. |
アクセス
公共交通利用:JR「余呉」駅から余呉バス丹生線または柳ヶ瀬線「木ノ本行き」に乗車し、「坂口」下車、約5分。JR「木ノ本」駅から余呉バス丹生線「菅並・洞寿院行き」に乗車し、「坂口」下車、約10分。または「ウッディパル余呉」下車、約16分。田上山登山口または呉枯ノ峰登山口へは、JR「木ノ本」駅下車。
車利用:北陸自動車道「木之本IC」を降り、国道365号線を北上し、余呉支所前交差点を右折、約20分。大見いこいの広場の登山口へは、北陸自動車道「木之本IC」を降り、国道8号線、303号線、高時川沿いの県道285号線にて約15分。
(注意)駐車場は、ウッディパル余呉と林道車止めにありますが、出来るだけウッディパル余呉駐車場にとめて、乗り合わせて林道を上がって下さい。また林道の駐車スペースは、10台ほどしか止められませんので、駐車時間は出来るだけ短めにお願いします。